ヘンプシードの効果や効能と食べ方! 注目の栄養成分と健康や美容・アンチエイジング対策に良い理由

ヘンプシードの特徴について!大麻由来でも危険性はないのか?

スーパーフードとして人気のあるヘンプシード。

海外のセレブから日本のタレントさんでも食生活に摂り入れている人もいてSNSなどで紹介していますね。

ヘンプを訳すと「大麻」という意味なので危険性を心配するかもしれませんが、ヘンプシードは大麻取締法で禁止されている成分は含まれていないので大丈夫です。

※詳しくはヘンプシード・麻の実の特徴と安全性!発芽したら逮捕される危険性は?をご覧ください

それよりもヘンプシードの豊富な栄養成分が健康や美容効果はもちろんのこと、ヘンプシードを食べて長生き(アンチエイジング)している地域も存在します。

ぜひスーパーフードヘンプシードを詳しく知って食べるきっかけにしていただければ幸いです。

ヘンプシードの栄養不足と効果や効能!

ヘンプシードには健康や美容効果が期待できる多くの種類の栄養成分が含まれていますが、その中でも注目の成分とその効果効能を紹介します。

豊富な植物性タンパク質「エデスチン」

ヘンプシードの栄養成分の中で最も多いのはタンパク質です。

全体の約32%を占めています。

これは肉や魚よりも多く豊富な大豆に匹敵する量です。

タンパク質は筋肉や臓器、毛髪、血液などのほかホルモンや酵素の材料になるなど生きていくために欠かせない栄養素で、不足すると

  • 筋力量が減って体力が落ちる
  • 疲れやすくなる
  • 免疫力も下がる

となることも多く、病気にもかかりやすくなります。

さらにそれだけではなく

  • 記憶力の低下
  • 肌荒れや髪が傷む
  • 太りやすく、やせにくい体質

といったマイナス面もあります。

タンパク質がバランスよく含まれている食べ物は卵、肉、魚、乳製品などがあります。

ただし、これらのタンパク質動物性なので食べ過ぎると脂肪分を取りすぎてしまう傾向にあり、消化する際に身体に負担がかかってしまいます。

魚の脂肪分は健康に良いですが、食べ過ぎは水銀の過剰摂取の心配もあります。

そのため動物性タンパク質だけでなく、植物性のタンパク質からの摂取も必要です。

ただ大豆の場合は、

  • 5大アレルギーの一つ
  • 遺伝子組み換え作物
  • 農薬・化学肥料

といった心配があります。

ですがヘンプシードであればアレルギーや遺伝子組み換えの心配もなく、麻も農薬や化学肥料を使わなくても育てることができるため、良質の植物性タンパク質を摂ることができます。

そしてヘンプシードの植物性タンパク質は他に見ない「 エデスチン 」と呼ばれるタンパク質を含み、消化しやすく吸収されやすい構成をしています。

良質な植物性のタンパク質を摂るならば消化されやすく、安全性の高いヘンプシードをおすすめします。

必須アミノ酸

タンパク質が豊富ということは、タンパク質を構成するアミノ酸も豊富に含まれています。

実際にタンパク質を構成するアミノ酸は20種類あります。

その20種類のアミノ酸のうち体内で作ることができず、食べ物からとる必要がある9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と言います。

ヘンプシードはこの必須アミノ酸9種類を全て含んでいます。

必須アミノ酸の働きや効果・効能

必須アミノ酸働き・効果・効能
イソロイシン●成長を促進して肝臓や神経の働きを助ける
●筋肉組織の主成分の1つで筋力を強化
ロイシン●筋肉組織の主成分の1つで筋力を強化
●肝臓の機能を高める
リジン●疲労回復・集中力を高める●髪の健康(育毛効果)
●肝機能や不妊の改善効果
メチオニン●かゆみやアレルギーの原因となるヒスタミンの
血中濃度を下げたり、抑うつ効果もある
フェニルアラニン●興奮作用のあるドーパミンなどの神経伝達物質の
もとになる。鎮痛作用や抗うつ効果も
スレオニン●成長を促進する作用
●肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ➡脂肪肝予防
トリプトファン●脳や神経の働きを安定させるセロトニンのもとの
成分。鎮痛・催眠効果がある
バリン●筋肉組織の主成分の1つで筋力を強化
●体の成長を促し、血液中の窒素のバランスを整える
ヒスチジン●子どもの成長に欠かせない成分
●神経の働きを助けたり、ストレスを軽減する

このように必須アミノ酸は成長するうえで欠かせない成分が含まれていますが、その中でも最近注目されているのは

  • イソロイシン
  • ロイシン
  • バリン

といった3つの成分です。

これらは「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」と呼ばれており運動中のエネルギー源にあります。

アミノ酸サプリ商品にBCAAという文字を見たことがあるかもしれません。

特に筋肉を付けたい人が良く摂るサプリメントです。

このようにサプリメントでもBCAAは摂取できますが、ヘンプシードであればBCAA以外の必須アミノ酸や他の多くの栄養成分を同時に摂取できます。

さらにBCAA疲労回復の働きもあるため運動前後に摂ると有効です。

αリノレン酸が豊富

ヘンプシードには必須脂肪酸がバランスよく含まれていて食用油のヘンプシードオイルも「健康油」として人気が高まっています。

特に注目されているのがオメガ3脂肪酸の「αリノレン酸」です。

このαリノレン酸は人気の健康油である「えごま油」や「亜麻仁油(アマニ油)」に含まれていることで注目されています。

また、αリノレン酸の特徴として、その一部(約15%)が青魚などに含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換されます。

αリノレン酸EPA,DHAといったオメガ3脂肪酸を摂取することで期待されている効果効能は下記の通りです。

※一部の効果・効能は科学的データが不十分なものもあります。

αリノレン酸などオメガ3脂肪酸の効果・効能

  • 認知症の予防
  • 記憶学習能力の向上(子供の脳の発育に効果)
  • 血流改善、血栓予防効果
  •  アレルギー抑制(花粉症、アトピー性皮膚炎など)
  • 老化予防(アンチエイジング)
  • うつの軽減
  • 中性脂肪・血中コレステロールの軽減
  •  高血圧の予防
  •  糖尿病の予防
  •  動脈硬化・不整脈の予防
  • 脳卒中の予防
  •  ガンの予防(特に乳がん、肺がん、大腸がんに有効)
  • 視力アップ
  •  脂肪肝の予防
  • ダイエット効果
  • 美容・美肌効果

このように多くの効果や効能が期待されています。

昔は青魚からオメガ3脂肪酸(DHAEPA)を摂っていましたが、以前と比べると魚を食べる量がへり、オメガ3脂肪酸の摂取量が減ってきています。

またαリノレン酸が豊富に含まれている食べ物は少なく、亜麻仁油やえごま油などの食用油以外ではチアシードやクルミ、そしてヘンプシードなど種類が多くありません。

ぜひヘンプシードでオメガ3を補いましょう。

注目の成分γ(ガンマ)リノレン酸

γリノレン酸月見草から発見された成分で、藻類のスピルリナなどごくわずかの植物にしか含まれていません。

γリノレン酸

  • 血糖値や血圧を下げる
  • 生活習慣病の抑制
  • アトピー性皮膚炎の抑制
  • 月経前症候群(月経前のイライラや胸の張り、むくみ、頭痛などの症状)

などに対する効果があると期待されています。

最近はαリノレン酸γリノレン酸を十分に摂取している人は少ないと思われますが、ヘンプシードなら20g程度(約大さじ1杯)で成人が1日に必要とする摂取量をクリアすることができます。

ヘンプシード特有成分カンナビスA!長生きできるって本当?

カンナビスAヘンプシードのみ含まれる成分でポリフェノールの一種です。

強力な抗酸化作用が期待されている成分で、まだ研究段階ですが抗酸化作用・抗老化作用が注目されています。

中国の広西チワン族自治区巴馬(バーマ)麻の実(ヘンプシード)を常食している地域で「長寿の里」とも呼ばれています。

巴馬が「長寿の里」として有名になったのは、

  • 1981年にドイツで行われた第12回国際老年医学会で「世界長寿地帯
  • 1991年11月1日に東京で開かれた第13回国際自然医学会で「世界五大長寿の里

として認定されたからです。

この地区では麻の実スープ麻の実粥を好んで食べたり、主食のトウモロコシ粥(かゆ)を食べる前にスプーン1~2杯分の麻の実油ヘンプシードオイル)をお粥に垂らしてから食べています。

このように「長生きする」ということは「老化の促進を抑えている」からということですから、カンナビスAの強力な抗酸化作用によるものではないかと期待されています。

ヘンプシードアンチエイジング対策の注目の食べ物です。

豊富なミネラル

ヘンプシードはミネラルが豊富で特に鉄、銅、亜鉛、マグネシウムの含有量は食物の中でもトップクラスです。

ヘンプシードは大さじ1杯(25g)で1日に必要な量の

  • 鉄:34%
  • 銅:70%
  • 亜鉛:42%
  • マグネシウム:103%

を摂取することができます。

[su_box title=”ミネラルの働き” box_color=”#dc55e5″]

:赤血球をつくるのに必要な栄養素で、不足すると 疲れやめまい、貧血、頭痛、食欲不振などがおこりやすくなる

:血球の形成や体内酵素の正常な働きを助ける

亜鉛:味覚を正常に保つのに必要な栄養素で皮膚や粘膜を健康に維持するにも欠かせない成分。

マグネシウム:骨や歯の形成に必要栄養素[/su_box]

豊富な食物繊維

ヘンプシードには食物繊維の2種類のうち不溶性食物繊維が豊富に含まれています。

100gあたりの食物繊維の量は多いイメージのある

さつまいもが2.4gおからが9.4gに対しヘンプシードは41.3gと圧倒しています。

不溶性食物繊維は腸の動きを活発にして腸内の老廃物を吸着して体外への排出を促すので便秘改善やおなかの調子を整えたい方におすすめです。

このようにヘンプシードは

  • タンパク質食物繊維ミネラルが豊富
  • 希少価値のあるαリノレン酸γリノレン酸が含まれている
  • 抗酸化成分ヘンプシード特有成分カンナビスA

といった特徴があります。

ヘンプシードを常食としている長寿の里もあるように、健康や美容、そしてアンチエイジング対策として注目されています。

ヘンプシードの味や食べ方は?

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ヘンプシードの見た目はゴマのようですが、味はくるみのような感じでクセもなく食べやすいのでどのような料理にも合います。

ヘンプシード以外では麻の実の殻を取り除いた

  • ヘンプシードナッツ(麻の実ナッツ)
  • ヘンプシードパウダー
  • ヘンプ(シード)オイル」などがあります。

欧米ではナッツやパウダーはサラダやシリアル、ヨーグルト、スムージーに混ぜて食べることが多いです。

和食では納豆に混ぜても美味しく食べられます。

また炊いたご飯1合分にヘンプシード大さじ2~3杯塩適量と太白ゴマ油を少々入れてお好みでシソや梅干を加えて「ヘンプシードおにぎり」としてもおいしく召し上がれます。

まとめ

ヘンプシードは「麻の実」つまり大麻の種の部分ですが、実(種)の部分の使用や摂取については大麻取締法では禁止されていませんし、危険性もありません。

そして栄養価も高く、長寿の地域ではヘンプシードを常食しているということで、アンチエイジング最適の食べ物ではないかと研究が進められているところです。

ヘンプシードはパウダータイプであればいろいろな食べ物に混ぜても合いますし、栄養が偏っている人やダイエットをしていて栄養不足になりがちな人にもおすすめです。

またヘンプシードオイルも健康油として注目されているので、ぜひサラダ油を使っている人はすぐにでも交換しましょう。

揚げ物にはあまり向いていませんが、炒め物程度の加熱であれば問題ありません。

ぜひヘンプシードを食生活に摂り入れてみてください。